半導体効果どこまで


 地価上昇ランキングの上位に北海道の地名を見ることが増えた。令和5年は半導体の千歳、昨年は球場の北広島、かつてはインバウンドのニセコが記憶に新しい。
 財の価格は需要と供給で決まると言われるが、地価も同様である。買いたいと思う者が増えれば価格は上昇し、減れば下落する。しかし、不動産の価値はそれだけでは決まらない。例えば、需要には実需の他に期待や思惑が含まれる。また固有性があり、地価だけでは評価できない場合がある。例えば、「先祖伝来の土地」の評価は所有者の思い入れが強い場合、市場の評価と異なる場合がある。
 実際の取引を考慮して公示地価などが発表されるが、その背景にはこうした需要と供給、期待や思惑、そして思いが込められている。現在上位にランクされている地域がさらに上昇するか、あるいは実需を伴って上昇の波が周辺地域へ拡大するか。しばらくは、今後の動きに耳目が集まりそうだ。